セミとアリ
近頃、日本の民意って一体なんだろうと考えてしまう。
国民の約80%がオリンピックは中止(もしくは延期)にすべきと言っているのに、開催しようとする東京都と政府。
色んな人がその理由をああだこうだと言うから、こっちも、ああ、たぶんこうなんだろうああなんだろうと想像する。しかし、開催の主体となる組織の誰ひとりとして、納得できる明快な答えを提示してくれない。
民意が反映されない政策ってなんだ?民主主義じゃないんじゃない?
理由はわかるでしょ、はっきりしたことは言えないのよ、ってな感じでうやむやにしたまま強行するつもりか?
民意が必ずしも正しいとは言えないけど、民意を反映するのが民主主義ってもんでしょ。民意を無視して強行するなら、あのお隣の大国とあまり変わらない。
米国も英国も真っ二つに分かれてしまったけど、民意は尊重して持ちこたえている・・・。
愚痴はこれくらいにして、本日の話題に行きましょう。先日のニュースで、フランス人の皆さん、コロナ禍でお金を使わなかった分、夏のバカンスには少し贅沢をしたいとおっしゃっていました。確かに、厳しい外出制限であまりお金を使わなかったようです。


下記ウィンドウの▸をクリックして番組をご覧ください。(フランスのTV局France 2で2021年6月2日に放送)
映像が途切れ途切れになってしまう皆さん。どうも映像の読み込みと再生の速度がうまく噛み合ないのが問題のようです。解決策として、本編が始まったところで一旦ポーズボタンをクリックし再生を止め、映像を読み込むまでしばらく待ちます。ある程度映像を読み込んだところで、もう一度再生ボタンをクリックすると途切れずに見ることができるようになります。少し手間ですが試していただけると幸いです。
コロナ感染拡大の始まった2020年3月から、フランス人の皆さんが心ならずも溜め込んだお金が合計で1億4200万ユーロに到達!これまでで最も記録的な額だとか。
コロナ禍でお金の使い方はどうなのか街頭で調査してみましょう。
「私はアリのタイプです。この先どうなるんだろうと心配ですからね。去年は本当に怖かった」と女性。
アリということは、つまりお金をせっせと溜め込むタイプ。
「僕は完全にセミのタイプですよ。外出してお金を使うのが大好きですからね」と男性。
このアリとセミというのはフォンテーヌの寓話から来ています。セミは夏の間ずっと仕事もせず歌を歌い続けていました。冬になって食べるものに困ってアリに餌をわけてもらおうとします。しかし、アリは、夏の間歌ってたんなら今度は踊ってりゃいいでしょ、と冷たく言い放つのです。
「今年は、いろんなことにお金を使いたいですね。あれこれ買って子どもたちを喜ばせたいです」と別の男性。
そんなわけで、今年はお金を使う人の方が多いらしい。よって、フランス政府によれば、5%の経済成長が見込まれとか。
専門家の1人は、国民が消費しやすいようにするべきといいます。
「溜まったお金がダイナミックに動き出す可能性があります。それが経済の立て直しに中心的役割を果たすことになるでしょう」
そこで、右派の国会議員が付加価値税を5.5%に下げることを提案しました。そうすればホテルや飲食店などコロナで影響を受けたセクターで物価を下げることになり消費がしやすいというわけです。
「これなら消費者も経営者もウィンウィンの関係になれます。国民にとっても海外からの観光客にとっても得です」
これには一部の左派議員も賛同しましたが、結局、政府がこの提案を蹴ったとか。
というのも、コロナ禍で付加価値税を下げたドイツで、その効果は期待したほどではなかったらしい。
******* フランス人のつぶやき *******
「今日、銀行の担当者からのアドバイスを受けて、もっとお金の使い方がうまくなる本を買いに行った。カードで支払おうとしたら、機械に断られた
」
![[ふらふら]](https://blog.seesaa.jp/images_e/144.gif)
VDM(Vie de Merde)より
この記事へのコメント
政府も都も、選挙で選ばれた代表者。それに今
は任せているんです。嫌なら次の選挙で落とす
しかないです(オリパラには間に合いませんが)
で、現政府等がどう判断するか、揺さぶり見守
るしか手が無いです。だから「選挙」が大事な
んです、絶対! 次回は民意を大切にする人を
選びましょう。
選挙は基本ですよね。でも、選挙だけではどうも足りない気がするのです。当選した代議士が必ずしも民意を尊重して行動するとは限らないから、市民の監視と主張が必要になると思うのです。小池さんは、人流が増えれば感染者が必ず増えると言い切っています。それなのに人流が増えるオリパラを開催するのだったら、相応の説明が必要です。市民が納得できる説明があればリスクを負う必要があるかもしれません。でも、それをきちんとやってくれる政治家がいそうもない・・・能力がないのか、そもそもそのような説明が不可能かのどちらかでしょう。それにしても今回の政府の態度は正面から市民に向き合っておらず不愉快です。