パリの屋根
この一週間でなぜに東京の新規感染者が増加に転じたのかよくわからない。尾身さんもしっかりした現状把握が大事とおっしゃってるから、まだ分析の結果が出ていないんだろう。
いずれにしても、解除になろうがなるまいが、わが家の生活は変わらない。今の生活を続けていくだけ。
解除になればジムの短縮営業が終わるだろうから、多少夕方の時間に余裕ができて、さらにガラガラになることを期待する。
さて、本日はパリのお話。
パリの屋根と言えばトタン屋根。どことなく古めかしくて歴史を感じさせます。あの屋根はどうやって作られているんでしょう?

下記写真をクリックして番組をご覧ください。(フランスのTV局TF1で2021年3月12日に放送)
映像が途切れ途切れになってしまう皆さん。どうも映像の読み込みと再生の速度がうまく噛み合ないのが問題のようです。解決策として、本編が始まったところで一旦ポーズボタンをクリックし再生を止め、映像を読み込むまでしばらく待ちます。ある程度映像を読み込んだところで、もう一度再生ボタンをクリックすると途切れずに見ることができるようになります。少し手間ですが試していただけると幸いです。
手前のはグランパレの屋根?なんだか複雑。向こうにはエッフェル塔が見えています。
一方、こちらはよく見かける屋根。トタン屋根の間に煙突が立っています。煙突は必ずつけなくてはいけないらしい。いかにもパリの屋根ですね。
このトタン屋根が使われるようになったのは200年以上前のこと。
「ルネッサンス芸術の終わり頃まで屋根はスレート葺でした。その後、産業革命で薄いトタンが手に入るようになり、それが屋根に使われたのです」と専門家。
こちらはグラン・パレの屋根。装飾性の高い屋根です。職人さんたちが屋根を葺き替えています。
かぶせる場所の形に合わせてトタンを切りとります。いわゆるオーダーメイドのトタン屋根。なんと1ミリの10分の1単位でサイズを合わせます。
「適当に切ったり叩いたりしているわけじゃないですよ」と職人。
しゃしゃっと切ってトントンと叩いて出来上がり!てな具合だとばかり思ってました。
トタンは固い上に気まぐれな素材だとか。捻じ曲げると壊れてしまうし、冷えすぎると裂けてしまう。いや、こりゃちょっと大変な作業ですねぇ〜。それ相応の技術が必要です。
「仕事を覚えるのに5年かかります。その後、自在に扱えるようになるのに5〜10年かかります」とグラン・パレの責任者。
エティエンヌさんは1年前から訓練を受けています。
「この仕事はマニュアルを読んだからってすぐ出来るという仕事ではないです。実際にやりながらおぼえるものです。僕にとってはそこが面白いんです」
一方、こちらはこの仕事を始めてから7年になるデジレさん。
「この仕事が気に入ってます。立派な仕事ですよ。できるだけ正確な寸法に合わせて作る、それが楽しいんです。この仕事は芸術だと思いますよ」
確かに、彫刻を作っているのと同じような作業かもしれません。
こうして見ていると建物によって屋根の形状がだいぶ異なります。それに合わせてトタンの形も様々。
「トタン屋根は建物を保護するだけのものではありません。形状もさまざまで建物に個性をもたらし、建築物を芸術に仕立て上げているんです」と関係者。
現在、このトタン職人が数百人単位で不足しているとか。この仕事を担える職人がいなくなれば、パリの屋根を維持できなくなってしまいます。
そのため、この”パリの屋根”をユネスコの世界遺産に登録しようという動きがあるそうです。
ごちゃごちゃとさまざまな屋根がひしめき合っているパリ。それでいてどこか統一感があります。このトタン屋根のせいかもしれません。
******* フランス人のつぶやき *******
「今日、隣の建物の屋根に面した窓の近くで電話をかけていると、携帯が手から滑り落ちた。隣の屋根に落ちるとスルスルスルッと滑って雨樋のところで止まった。電話からは『もしもし、もしもし・・・』と友達の声」
VDM(Vie de Merde)より
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