パレット
本日のお題は、「パレット」。
パレットと言っても、絵を描くときに使うパレットではなく、重い荷物を載せてフォークリフトやハンドリフトで運ぶ時に使うスノコ風の台座のことです。
あれ、フランスでも日本でもパレットって言うらしいですよ。
材木の残りを組み立てたような粗末な台座に見えますが、今や欠くことのできない重要なツールになっています。

下記ウィンドウの▸をクリックして番組をご覧下さい。(フランスのTV局France 2で2015年11月9日に放送)
映像が途切れ途切れになってしまう皆さん。どうも映像の読み込みと再生の速度がうまく噛み合ないのが問題のようです。解決策として、本編が始まったところで一旦ポーズボタンをクリックし再生を止め、映像を読み込むまでしばらく待ちます。ある程度映像を読み込んだところで、もう一度再生ボタンをクリックすると途切れずに見ることができるようになります。少し手間ですが試していただけると幸いです。
La France championne de la palette
巨大な倉庫。よく見るとパレットだらけです。
「これも、あれも、そっちも、全部パレットです。この上に荷物を載せて保管しています。パレットがなかったら仕事になりませんよ」と、インターネット販売会社の方。
幅80センチ、奥行き120センチのパレットに合わせて設備を設置しています。
パレットはこの50年で増殖を続け、今や95%の商品の流通を支えています。
そしてフランスは、ヨーロッパで二番目のパレット生産国なのでした。
その生産の中心がフランス南西部ランド県の森林です。
ここで育てられた樹木は、パレットだけでなく紙や家具などに加工されます。
まずは植林から始まります。1年ほどの松の苗木を植えていきます。面白い器具を使って植林していましたね。
これだったらかがんだりしないので腰を痛めることもなさそうです。
この植林から30年後にはこんな大きな松の木に育ちます。これぐらいのサイズが理想的だとか。
育った松は早速伐採されます。同時に2メートルの長さに切り分けられ、トラックで工場に運ばれます。
工場ではオートメーションで木材に加工されます。
「この松は密度が高く大変丈夫です。ですからパレットに最適なんです」と工場長。
組み立ても見事にオートメ化されています。
組み立てられたパレットは巨大なお釜のような倉庫で乾燥された後、一台7.50ユーロ(約1,000円)で出荷されます。
パレットの生産はそれほど儲かる事業ではなさそうですが、国の経済状況の指標になっています。
「顧客の生産状況がどのレベルにあるのかすぐにわかります」とパレット会社の社長さん。
「そして、我々が1週間パレットの供給を止めたら、あらゆる経済がストップしてしまいますよ」
フランスでは年間5200万個のパレットが生産されているそうです。
そして、傷んだパレットはこうして修理され再利用されます。
「パレットは修理され何度でも使うことができます。いよいよ修理の施しようがなくなった場合は解体されバイオマスになります」
最後はエネルギー資源にもなる木製のパレット。
プラスチック製やタンボール製を抑えて一番需要があるそうです。
******** フランス人のつぶやき *******
「今日、自分で作った木製のテラスでくつろいでいた。満たされた気分だった。なにしろ明け方から今まで一服もせずに作ったテラスだ。ふと友人を招待しようと携帯を探したのだが見つからない。どこに行ったやら・・・とその時、テラスの中で携帯が鳴り出した」
VDM (Vie de merde)より
この記事へのコメント
パレットの生産は見事に自動化されていました。こう言う製品なので高額な値段はつけられないので、人件費を節約して自動化というのもうなずけます。