地方のお宝 その4
フランスの地方のお宝シリーズの四回目は、温泉。
フランス各地に温泉地がいくつもありますが、その中の一つがヴォージュ県です。
下記ウィンドウの▸をクリックして番組をご覧下さい。(フランスのTV局TF1で2015年4月9日に放送)(▸をクリックしても該当の映像が出てこない場合はウィンドウの下の文字をクリック)
蛇口から出てくるお湯の温度は70℃。ここは天然のスチームサウナ。
高温のせいか、5分以上は中に入らないようにとの注意が出ています。
プロンビエール=レ=バン(上記地図の赤印)の温泉を最初に発見したのはローマ人でした。2000年も前のことです。
源泉のお湯の温度は85℃と欧州で最も熱い温泉の一つです。
ローマ時代風の作りになっている施設の中をそぞろ歩くお客様方。
「全身が健康になります。肌がきれいになって潤いました」と女性。
「別世界に来たみたいです」と別の女性。
ローマ人が発見した温泉は、その後、ルイ15世、ナポレオン・ボナパルトへと引き継がれ、ナポレオン三世の時代に大々的に発展を遂げました。
村にはローマ風の建物があちこちに残っています。
そして村の中心には、ホテル、レストラン、療養施設が一つに集まった温泉施設Thermes Napoléon(ナポレオン温泉)があります。
毎年3,700人もの人々がここに療養にやってくるそうです。
「この施設はわたしらの時代に作られたものではありません。重ねられた歴史があるんです。それぞれの時代の贅を尽くした建物や装飾があちこちに残っています」と男性。
プロンビエール=レ=バンから50キロほど北西に行ったところにあるのがヴィテル(Vittel)。
あのミネラルウォーターでおなじみのヴィテルです。ヴォージュの温泉の中では一番若いそうです。
ジャクリーヌさんはヴィテルの温泉にちなんだ品物を収集して博物館に展示しています。
鉱泉を詰めたボトルの他に、療養で使われた面白い器具もあります。
中でも面白いのがトレーングマシーン。こうして筋肉を鍛えていたそうです。
そして電球を使った器具もあります。
「身体のあちこちに電球の光を当ててケアしたようです」とジャクリーヌさん。
ヴィテルには19世紀後半から20世紀前半にかけて作られた建築物があることでも知られています。
中にはパリのオペラ座を設計したシャルル・ガルニエの手による建物もあります。
かつては上流階級の人々が大勢やってきたと言います。
「ここは様々な人々が出会う場所でした。恋人同士だったり、政治家だったり、様々な人々がここに集まったのです。1904年には競馬場も作られました」
かつての建物の修復も始まっています。
最近ではヴォージュ地方の温泉に療養にやってくる人たちも増えたそうです。
尚、ヴォージュの温泉については以前の記事でも紹介しています。興味のある方は→こちら。
******** フランス人のつぶやき *******
「今日、バカンスに出発しなくてはならない日。なのに温度計が40℃を指していた。くそ〜、40℃もある!それは気温ではなく僕の体温。スキー旅行はキャンセルだ」
VDM (Vie de merde)より
この記事へのコメント
その時代からすでに湯治場として知られていたんですね。モンテーニュさん、腎臓結石をわずらっていたとは!日本ではお湯につかって具合の悪いところを治すとう感じですが、あちらはよく飲みますね。プロンビエールにこれだけの建物ができたのは、19世紀の温泉ブームの頃のようです。
そうなんですよ、あの器具は怪しいですよね。ほんとに身体に効くの?って疑問ですけど、こうやったらなんか身体にいいんじゃないか?と思う人間の期待みたいなのが見えてきて面白いです。