古い橋は保存か?建て替えか?
パリで起きた銃撃テロ事件を受けて、ロンドンで活躍するアーティストのバンクシー(Banksy)が下記のような作品を発表したそうです。
この銃撃でまだまだ将来のある方々が亡くなってしまったようで、残念です。
さて、ノルマンディ地方のディエップでは、一本の橋をめぐって保存運動が活発化してきました。

下記ウィンドウの▸をクリックして番組をご覧下さい。(フランスのTV局TF1で2015年1月2日に放送)
映像が途切れ途切れになってしまう皆さん。どうも映像の読み込みと再生の速度がうまく噛み合ないのが問題のようです。解決策として、本編が始まったところで一旦ポーズボタンをクリックし再生を止め、映像を読み込むまでしばらく待ちます。ある程度映像を読み込んだところで、もう一度再生ボタンをクリックすると途切れずに見ることができるようになります。少し手間ですが試していただけると幸いです。
その橋がこれ、コルベール橋です。
1889年に建設された鉄骨の橋は、大型船が通るときはこうして回転しながら片側に移動し道を譲ります。
重量800トンのこの橋が移動するのにかかる時間は90秒ほど。
コルベール橋は、欧州で最後に残る回転式の橋だそうです。
エッフェル塔と同じ技術を使って作られましたが、あちこちサビついて、だいぶ傷んでしまっているようです。
「エッフェル塔は錆止めの工事を7年ごとに行っていますが、こちらは20年も前から何も行われていません。またエッフェル塔はすべてのリベットを新しいのに取り替えました。この橋だってそうすればいいんです」と保存運動推進派の方。
この傷んだ橋をより近代的な橋に作り変えるべく、建築家もすでに決定していますが、保存派の方がたは納得していません。
新しい橋を作るより、今あるコルベール橋を修復する方がよいと考えています。費用も安くで済むとか。
傷んだとは言え、100年以上も現役でその役割を果たしているのはりっぱです。
1944年にはドイツ軍によって一部が破壊されましたが、2年後には元の通りに修復されました。
橋は第二次大戦からの町の復活のシンボルでもあったのです。
保存派の皆さんは何が何でも建て替えを阻止する構えです。
******** フランス人のつぶやき *******
「今日、うちの猫は、冷蔵庫はなま物を保存しておくためのものだというのがわかったようだ。冷蔵庫を開けて夕食は何にしようかと考えていたら、半分食べられた鳥が入っていた」
VDM (Vie de merde)より
この記事へのコメント
大変なテロ事件でしたね。一般のイスラム教徒もかなり神経を尖らせているみたいです。いやがらせみたいなことがぼちぼち起きているようですし、これは難しい問題ですね。
おっしゃる通り、修復すればりっぱにまだまだ使える橋なのだと思います。市がどのような決断を下すのか・・・。