樅の木

 ここ数日の寒さがゆるんで、やっと例年並みの気候に戻りました。


 日本は円安で多少なりとも経済回復の兆しが見えているような感じですが、フランスはまだまだ不況のまっただ中。


 なかなか景気のいいニュースが入って来ません。


 そんな中、不況知らずの産業があるとか。


 どんな産業かと言えば・・・樅の木の生産です。

 Paris_Morvan.jpg

 

 下記ウィンドウのをクリックして番組をご覧下さい。(フランスのTV局France 3で2013年11月16日に放送)




 クリスマスまで後一ヶ月ほどとなりましたが、ブルゴーニュ地方の山岳地帯モルヴァン地方では、ツリー用の樅の木の出荷が始まりました。


 フランスでは年間500万本の樅の木が販売されますが、そのうちの四分の一がこの地方の樅の木だそうです。


 「出荷は時間を見計らってやらないといけません。なにしろ木は生き物ですから。早すぎても行けませんし、逆に遅すぎてもいけません。タイミングが難しいんです」と企業の方。


 樅の木ってどうやって出荷するのかと思っていたら、こうやってネットで包むんですね。


 なんだか大きなトウモロコシかマグロのようになっていました。


 それにしてもものすごい数!


 映像に登場した企業では、この一ヶ月の間に40万〜45万本の樅の木を出荷することになっています。


 そして、演芸センターや量販店で一般に販売されます。


 お値段の方はと言えば、120センチの樅の木が20ユーロ、それより大きいのは40ユーロほど。


 円に換算すると、だいたい2,500円〜5,000円。


 年に一度のキリスト教のお祝いですから、これくらいの金額だったら出しそうな気がします。


 不況と言えども、樅の木は売れるわけです。

 

 

 

******** フランス人のつぶやき *******

 


「今日、貧乏学生の僕が唯一手に入れた樅の木は、車用の芳香剤だった


 

VDM (Vie de merde)より


この記事へのコメント

2013年11月19日 00:00
フランスでは宗教的にもクリスマスを大事にしてるようですから、モミの木は必須でしょうね。なんとかという人形を飾ったりかなり大掛かりだと聞きました。ツリーはやはり基本でしょうか。
2013年11月20日 15:25
yuzuhaneさん
やはりモミの木は必須でしょうね。日本で言えばお正月の門松かしめ縄みたいな存在でしょうか。それに、お値段もわりにリーズナブルな感じがします。
2013年11月24日 22:04
ラッピングされた樅の木はホントにマグロみたいですね(笑)。でも、樅の木は生育が遅いらしいですから、年間40万本出荷するとしたらその4倍くらいの本数を常に育てていないといけないはずなので、広大な土地が必要です。毎年コンスタントに売れないと成立しないビジネスですね。
2013年11月27日 15:23
opas10さん
やはり堅い商売だからこそなりたってるみたいですね。タイミングが大事だとか言ってますから、サイクルをうまい具合に合わせているのでしょう。この辺りの山林の広大な土地を所有しているのかもしれません。