世界最古の映画館
世界最古の映画館は、フランス南部コート・ダジュールの町ラ・シオタ(La Ciotat)にあります。
老朽化で18年間閉鎖されていましたが、この度、修復を終えて新たにオープンしました。
下記ウィンドウの▸をクリックして番組をご覧下さい。(フランスのTV局Francetv Infoで2013年10月9日に放送)
ラ・シオタと聞いて思い当たる方もいらっしゃるでしょう。
リュミエール兄弟が制作した世界初の映画の一つ「ラ・シオタ駅への列車の到着」が撮影された場所です。1895年のことでした。
翌年、これが初めて上映された時、観客は驚いて部屋の後ろに走って逃げたと言われています。
今のラ・シオタ駅は、観客に逃げる隙も与えないくらいの恐ろしいスピードでTGVが走り去って行くそうです。
そのラ・シオタにあるのが世界最古の映画館L'Eden Théâtreです。
開業は1889年6月。当時は演劇やコンサート、さらにはボクシングやレスリングなどが開催されていたそうです。
映画が上映されるようになったのは1895年のこと。あのリュミエール兄弟がプライベートで上映していたそうです。
1899年3月21日から、映写機と映写技師が常駐するようになり、本格的に映画上映が始まりました。
修復の完了した映画館の前で話している方は、ルイ・リュミエールのひ孫に当たる方。
「リュミエールは映画を発明するだけに留まらず、映画館も創ったのです」
600万ユーロをかけて修復された映画館の中は、オリジナルと同じだそうです。
建物は、歴史的建造物として国の文化財に登録されています。
映画館のサイトには、映画館の中をバーチャルで見学できるビデオがあります。
興味のある方は→こちら
******** フランス人のつぶやき *******
「今日、一人で映画館に行くことになった。いつもは二人で行くのに・・・。そのせいか、思わずポップコーンを隣の人に差し出してしまった」
VDM (Vie de merde)より
この記事へのコメント
マルセル・パニョルの「マルセルのお城(原題:母のシャトー)」で、おそらくオーバーニュ辺りの母の思い出のシャトーに撮影所を作るのも、シオタに映画館があったこととは無縁ではないでしょうね。暗い映画館やフィルムの光と影など見ていると、郷愁に胸が痛くなります。「映画って本当にいいですね!」
この映画館、あまり手入れがされてなくて傷んでいたようです。それで、映画界にとっては大切な建物をこのままにしておいてはいけないと運動が起きたおかげで、ここまでになったようですよ。あの白黒の映画があまりにも有名ですから、そこの映画館となるとなくしてしまうわけにはいかないですねえ。当時のままに修復してあるとのことなので、中を一度見てみたいです。
マルセルを主人公にした2本の映画はこの近辺で撮影されていますね。
物騒な事件が多いマルセイユですが、今年は一年間文化イベントが開催されていますね。この映画館もその中に組み込まれているみたいです。いろいろ見たいものはあっても、いっぺんになんでもというわけにはいかないですね。旅行記の続き、楽しみにしてます。
ベルトラン・タヴェルニエが会長さんの支援団体ががんばったみたいですよ。お金集めは大変だったろうなと思います。でも、こうやってできちゃうんですから、やっぱり考え方に違いがあるのかもしれませんね。