400,000ユーロ

 400,000ユーロと言えば、だいたい5,200万円ほど。


  フランス南西部の小さな村アゼラ(Azerat)に一人の村人が残した大金です。

 

Paris_Azerat.jpg

 

 下記ウィンドウの▸をクリックして番組をご覧下さい。(フランスのTV局TF1で2013年10月3日に放送)(▸をクリックしても該当の映像が出てこない場合や、直接TF1のサイトでご覧になりたい方は→こちら




 ここがアゼラ村。古い建物の残る落ち着いた雰囲気の村です。人口は420人ほど。

 2012年9月15日、82歳で亡くなったルネ・トゥリエラさん。遺産のすべてを村に寄付しました。

 その額が400,000ユーロ。ちょうど村の年間予算と同額だそうです。

 驚いたのは村長さん。ルネさんとは家がお隣同士。

 「週に3〜4回、夕食前に一緒に一杯やるのが習慣みたいになってました。でも、彼はお金のことについては一切話しませんでした。公証人が電話をくれて、ルネが村に遺産を残してくれたことを初めて知りました」

 ルネさんは独身で子供もいなかったそうです。

 この田舎の村で生まれ、野菜を作ったり牛を飼ったりして暮らしていました。

 「とても親切で優しい人でしたよ」と食料品店のおかみさん。

 「ルネはお金があったからってムダ使いするような奴じゃなかったよ」と村の男性。

 そんなルネさんが残してくれたお金です。ムダ使いするわけには行きません。

 村人全員が等しく恩恵を受けられるようにと、村のインフラ整備に使われることが決まっています。

 すでに一部は役場の外壁の修復に使われたそうです。残りは村のプールの修理や道路の整備等々に使われることになっています。

 「彼がしてくれたことを忘れてはいけません。いつまでも村人の心に残るようにしたいですね。だからこそ、有意義に使いたいんです」と村長さん。

 この寄付を記念して、村の通りにルネさんの名前がつけられることになっています。

 ルネさんのご尊顔を拝見したかったのですが、残念ながら映像には登場しませんでした。


 

******** フランス人のつぶやき *******



「今日、ATMが休止でお金が引き出せなかった。頭に来てATMをののしるとATMが返事をしたのでびっくり。お金をつめるために中に人がいたのだ」

 

VDM (Vie de merde)より

この記事へのコメント

cycloo
2013年10月05日 09:32
もう死後の身の振り方を決めておかなければならない歳です。いいお話でした。
2013年10月05日 11:27
いい雰囲気の石畳の道があるのどかな村に、素敵なお土産を残してくれた方がいたんですね。村の年間予算と同額ですか・・・。なかなかできそうでできないことですね。ご無沙汰しましたが、またよろしくお願いします。
2013年10月05日 15:53
今回は、ルネさんの人柄や生活ぶりがわかっているからこそ、有用に使おうと一生懸命考えられたよいお話ですが、税金もすべからく同じなんですよね。でも誰が払ってくれたお金かわからなくなると、途端にムダ遣いする某国の役人。
2013年10月07日 00:45
cyclooさん
私の方は老後が目の前にせまっておりまして・・・とは言っても、しばらくは老後にはなれそうもありませんが。こういう話を聞かされると、いろいろ考えます。
2013年10月07日 00:49
yuzuhaneさん
お体の方はもう大丈夫ですか?あれだけ暑かった夏が終わって季節の変わり目ですし、いろいろありますね。お大事にしてください。
ルネさん、こんな田舎の村でずっと暮らして、最後にすごいお土産を残して行きました。ほんとになかなか出来ることじゃないですねえ〜。
2013年10月07日 00:53
opas10さん
生前に何も言わないでこれだけのものを残して行ったというのが、ちょっと良いなと思ってしまいました。
税金ってどうしてああムダ使いになってしまうんでしょうね。やっぱり払っている人の顔が見えなくなってしまうからなんでしょうかね。