近未来の山小屋
シャモニーからモンブラン登頂をめざすアルピニストが、一夜を明かす山小屋Refuge du Goûter(グテの山小屋)。
今年6月、新しい山小屋が完成し営業を開始しました。フランスで一番高いところにある山小屋です。

下記ウィンドウの▸をクリック。(フランスのTV局TF1で2013年8月15日に放送)(▸をクリックしても該当の映像が出てこない場合や、直接TF1のサイトでご覧になりたい方は→こちら)
山小屋と言っても、標高約4,000メートルにあるそれは、まるで未来の集合住宅のよう。
そして、強い風が吹いたら、そのまま下界へ真っ逆さまに落ちて行きそうで、おちおち寝ていられそうもありません。
しかし、実際は頑丈にできています。時速250キロの風にも耐えうるとか。
「ここが食堂で一番広い部屋です」と山小屋の管理人。
寝室はこんな感じ。清潔で暖かそうですが、かなりの過密度。
一人一畳くらいのスペースが仕切られベッドになっています。合計で120人を収容することができるそうです。
登山者の国籍は様々。アメリカ人、ドイツ人、オランダ人・・・。
建物には最新の技術を使った施設が設置されています。
その一つが、雪を溶かして水を作り出す装置。
太陽熱を利用して雪を溶かし、専用のシステムで浄化しています。
電気もソーラー発電で自給自足です。
しかし、水は足りない分をヘリコプターで運んでもらっています。
「水は生産していますが、消費する量に追いついて行かないのです」と山小屋の方。
ここに宿泊するためには数週間前から予約する必要があります。
毎年夏には、定員の2倍のアルピニストを収容せざるを得なかったかつての古い山小屋での苦い経験から、予約制に切り替えたそうです。
こうしておけば、必ずベッドでゆっくり寝ることができます。
これで一泊90ユーロだそうですから、決して安くはありません。
昔の古い山小屋の映像が出てきましたが、規模も設備も新しい山小屋の方が断然上ですね。その分、料金が高くなるのは仕方ないかもしれません。
それでもこの混雑です。この日の朝も、モンブランめざして100人ほどが出発していったそうです。
******** フランス人のつぶやき *******
「今日、先生が教室にやって来て外を見て言った。『なんだ、雪じゃないじゃないか!』今は8月。皆、呆然と先生を見ていた。すると先生が言った。『おかしいな。だって、マチューが英語で90点を取ったんだよ』マチューとは僕のこと」
VDM (Vie de merde)より
この記事へのコメント
立派な山小屋ですね。おっしゃる通り、工事はかなり大変だったでしょうね。古い山小屋も同じ場所に建っていたようですが、やはり見晴らしの良いところに建てたくなるのでしょうね。その分ちょっと怖いですが・・・。
そうですね、宇宙船と言った方がぴったりですね。雪はあっても液体の水はないそうですよ。そこに100人を超える宿泊施設ですから、不足するのもうなづけます。