展望台からの眺め

 フランス西部ブルターニュ地方の都市レンヌ(Rennes)では、ちょっと変わったイベントが行われています。

 

 Paris_Rennes.jpg


  下記ウィンドウのをクリックして番組をご覧下さい。(フランスのTV局TF1で2013年1月7日に放送)(▸をクリックしても該当の映像が出てこない場合や、直接TF1のサイトでご覧になりたい方は→こちら



 地上32メートルのビルの屋上に立てられたガラス張りの展望台。


 この展望台から、朝と夜、日の出と日の入りの時間に、それぞれ一人ずつ、毎日1時間、レンヌの街を見渡します。


 やることはこれだけ。それがこのイベントです。


 2012年9月30日から始まり2013年9月29日に終わる予定です。


 その間、365日、休みなく続けられます。


 参加者は729人になる予定です。


 上から眺めていると、下からこちらを眺めている人と目が合ってしまうこともあります。


 そんなときは、手を振って合図を送ります。


 ガラス張りの部屋でたった一人じっと街を眺める・・・・・・お城の見張り台から城下を監視しているようにも見えます。


 「ちょっと中世に戻ったような気分ですよね」と男性。


 参加者はまず階段を上り屋上へと向かいます。


 展望台へ向かう前に携帯を含む所持品を全部預けます。


 外界とのつながりを断ち、静かにただただ街を眺めます。


 「ガラスの部屋に閉じ込められ、外界と遮断されたまま、街を見守る巨人になったような気分です」と女性。


 日の出と日の入りの時間が一年の間に変わって行くので、眺める時間も正確にそれにあわせます。


 最後に登場した方Joanne Leightonさんがこのプロジェクトの発案者です。


 「個人が一人ずつ参加しますが、これを続けて行くことで一つのつながった共同作業のようになります」と発案者。


 このイベント、人気だったようで、すでに参加枠は一杯だそうです。


 自分の住む街をこうやって眺めるといつもとちょっと違った目で見られるようになるかもしれません。



 

******** フランス人のつぶやき *******

 

 

「今日、屋根に上がって修理していると、誰かに梯子を盗まれた[あせあせ(飛び散る汗)]

 

VDM (Vie de merde)より


この記事へのコメント

2013年01月09日 09:09
面白いイベントですね。
冒頭の画像の空の色、雲の動きがいいですね。
天候によっても…あっ雨の日や嵐の日もでしょうか?
先日の大阪府の咲洲庁舎の展望台(252m)からの眺望も素敵でした。日頃の視界とは変わった位置に立つことはよい気分転換になります。特に上からの風景はそんな効果があるような気がします^^
2013年01月09日 16:45
ひとりが1時間の貸し切りですか・・何ともユニークなイベントですね。素敵な眺めを一人占めできるなんてすごい!
2013年01月09日 17:02
このイベントのためにあの展望台は作ったんだろうかとか、どんなビルの上なんだろうかとか、気になる点はありますが、ユニークなイベントを考えつきましたね。レンヌはあそこから見渡せるくらいのサイズの町なんですね。東京でやるならどこの上がいいのかなとかちょっと考えてしまいました。スカイツリーは登るのが高いしな…。
2013年01月10日 14:47
orangeさん
よくこんなこと思いつきますよね。恐らく雨の日も嵐の日もやってると思いますよ。嵐の日はちょっと怖いですけど。
高いところから下界を眺めるというのは人間には必要ですね。見ているうちに、なんでこんなささいなことに自分はイライラしてたんだろう、なんて思ったりします。高所恐怖症の人にはちょっと大変ですけど ^^;
2013年01月10日 14:49
rabbitさん
1時間ですからそれなりに長い時間ですよね。最近は世の中世知辛くなって1分でも待てないみたいになってますが、こうやって一人っきりで静かにゆっくり下界を眺めるとだいぶ気持ちも違ってきそうです。
2013年01月10日 14:52
yuzuhaneさん
東京全体となるとちょっと広過ぎる気がするので、区単位の方がよさそうな気がします。高さもあまり高過ぎずないくらいのビルの屋上がいいんじゃないですかね。木とガラスでできた展望台は嵐の時は大丈夫なんだろうかとちょっと気になります。
2013年01月14日 13:23
思索のための時間と空間がもらえるイベントという感じでしょうか。哲学好きなフランス人受けするでしょうね~。
2013年01月16日 00:30
opas10さん
見た目には何も残らないイベントですね。何かが起きるとすれば、人の心の中です。日本でもやったら面白そうな気がするのですが......。こういうイベントにお金を出す人がいるかどうかですねえ。