最先端の布地
ノーベル平和賞がEUに与えられたのには驚きました。
左派系の日刊紙Libérationの昨日の一面にはこんな見出しが……。
“ヨーロッパ、ノーベル経済賞のがす”
さて、今年10月10日、フランス北部の町ルベ(Roubaix)に、テキスタイルの開発センター(CETI)がオープンしました。
ここでは様々な最先端のテキスタイルを見ることができます。

下記ウィンドウの▸をクリックして番組をご覧下さい。(フランスのTV局TF1で2012年10月11日に放送)(▸をクリックしても該当の映像が出てこない場合や、直接TF1のサイトでご覧になりたい方は→こちら)
まずは、着る人の気分によって色を変える布で出来た襟。
ショックを受けたり困ったりするとピンクか紫にかわるそうです。
どうやら手のひらのパッドが脈拍を感知して色を変える仕組みになっているようです。
なんだかウソ発見器のようで普通の洋服にはちょっと無理。でも、ステージ衣装なら面白いかも。
このように最先端の技術を活かして新しい布地が次々と生まれています。
その中のいくつかはセンターのお店ですでに商品化され販売されています。
茶色のパンツは体温を逃がさないような布で、また黒いTシャツは逆に身体から熱を奪う布で出来ています。
いずれも繊維のなかの超微粒子の働きがこのような効果を生み出しているのだとか。
一方、赤い革のバッグを開けると、100ワットの電球並みの明るさ。
たいていのバッグの中は薄暗く、中に入れたものを探す時は手探り状態。
しかし、これなら開けたとたんに何がどこにあるかすぐに分かります。
スマートフォンのカバーに変身した亜麻もあれば、薬に変身した布もあるそうです。
赤ちゃんを包んでいるのは治療のための布。これも薬剤の一種。
繊維の原料となるものにはびっくりするようなものもあります。
たとえば、石。
映像に登場したのは玄武岩の一種ですが、1800℃に熱すると糸のようなものを出します。
そして、カニの甲殻も細かく砕くと繊維になります。
この繊維、柔らかくてふわふわの布になるそうです。
柔らかくて気持ちいいなどと言っていると、実はカニの甲羅だったなんてことがあるかもしれません。
******** フランス人のつぶやき *******
「今日、同居人が、匂い取り用の布を買って来た。特に動物の匂いを消し去る抗菌布だそうだ。ウチでは動物を飼っているわけでもないのにおかしいなと思っていると、彼女が言った。『動物用じゃないわ。あなたの部屋用よ』」
VDM (Vie de merde)より
この記事へのコメント
Libérationうまいこと書きましたよねえ。
繊維というのは応用範囲が広いんだなとつくづく思いました。あの様々な色に変化する布は洋服以外のものに応用できそうな感じがします。思いもよらない原料から繊維がとれるところを見ると、研究がかなり進んでますね。
なんかわくわくさせてくれます。
このようなことなら、どんどん進んでほしい!
繊維というのはずいぶんと幅広いですね。薬にまでなるとは思っても見ませんでした。こういう専門の開発センターはヨーロッパで初めてと言っていました。力を入れているんでしょうね。