ヨーロッパの衛兵 その2 〜ギリシャ〜
シリーズの二回目は、ギリシャの衛兵。
首都アテネで見逃せないものと言えばいつくもありますが、議事堂の前庭にある“無名戦士の墓”の前で警備にあたる衛兵もその一つ。
左右対称の二人の衛兵が表情も変えず、微動だにしないのをしばらく見ていると、突然、二人が向かい合い、中央に向かって歩き出し、すれ違い、そのままそれぞれの持ち場を交代します。
で、またしばらくじっとしているかと思うと、同じように中央に歩き出し、すれ違い、持ち場を交代します。
なんだかゼンマイ仕掛けの人形を見ているよう。
衛兵はエヴゾネスと呼ばれる大統領警備隊の隊員。無名戦士の墓、そのうしろにある議事堂、大統領の警備がその任務です。
下記ウィンドウの▸をクリックして番組をご覧下さい。(フランスのTV局TF1で2011年1月4日に放送)(▸をクリックしても該当の映像が出てこない場合や、直接TF1のサイトでご覧になりたい方は→こちら)
ここの衛兵の魅力は、その外見。
制服といい動作といい、ユニークで、どうしても記念写真を撮りたくなります。
制服は古くからギリシャに伝わる民族衣装が元になっています。
それにしても、あの激しいデモが繰り返されていた時期はどうしていたのでしょう?
「雨、風、雪、猛暑など、どんな時にも対応できるように訓練されていますが、デモの時に使われた催涙ガスにはまいりました」と衛兵の一人。
制服を着た二人の衛兵は、決められた以外は動くことも表情を変えることもできませんが、別の迷彩服の兵士が自由に動き回り警備にあたります。
「笑いたくて死にそうになる時もありますが、不動のままです。ここに立ったら自分でなくなるんです。そして、大統領警備隊としての役目を務めるだけです」
制服を着用して警備にあたる二人の衛兵は常に同じペア。二人が別々になることはありません。
そして、準備をするときは交代で制服を着せ合います。
今回見せてくれたのは日曜日に着用する制服。
制服を手に取った瞬間から口をきいてはいけないそうです。説明はまだ制服に触っていないもう一人の衛兵がしてくれました。
白いひだ付きのスカートのようなものはフスタネーラと言います。
ひだの数は400本。トルコに支配された400年を表し、伸ばすと30メートルはあるそうです。
のれんのようなベルトはギリシャの国旗と同じ色。
白いシャツの上からはphermeliと呼ばれるベストを着込みます。
手作業で刺繍が施されています。金糸が使われており、高価で重いそうです。
黒いぽんぽんのついた靴は左右合わせて約3キロもあります。
二人の靴のサイズは50(日本では32.5センチ)。身長は2メートル。完璧に同じサイズです。肉体的に同じサイズの隊員がこの任務に選ばれるそうです。
ひとたび選ばれると、訓練も自由時間もすべて一緒にすごします。これはちょっと大変そうです。
しかし、若い兵士にとってあこがれの任務。
まずは丈夫で規格サイズの肉体を持った兵士が選ばれますが、さらに重要なのが精神力。
何時間も同じ姿勢を保ったままというのは大変な任務です。
厳しい訓練を経て、衛兵が誕生します。
制服にはコンチネンタル様式、クレタ様式、黒海様式の三種類があり、コンチネンタル様式には、式典用、夏用、冬用があります。
祝いの式典では、それぞれの制服を身につけた衛兵が集合し、右足を高く上げる独特の行進で、交代式に参加するそうです。
******** フランス人のつぶやき *******
「今日、経済の試験の結果が分かった。教授が答案をくれながら言った。『君のこの成績なら、まずはギリシャで働いたらどうだね』」
VDM (Vie de merde)より
この記事へのコメント
新年あけましておめでとう御座います! 今年もよろしくの程お願い致します。
あけましておめでとうございます。
こちらこそ、今年もよろしくお願いします。^^/*
パリにいるギリシャ人に、ギリシャ人は毎日なにして暮らしてるんだと聞いたら、飲んで食べて踊って暮らしてると答えたそうです。一度仕事で行ったことがありますが、そんな雰囲気ただよってました。このありさまですから、残念ながら期待薄ですねぇ〜。
あの靴を履いてよくあれだけの高さに上げられますよね。
国の体制全体を見直さなくてはならないでしょうから、そう簡単ではないですね。時間もかかりそうですし。もうこのまま破綻してしまった方がいいと言っているギリシャ人もいるようですが、そうなると近隣諸国も道ずれみたいになってしまってはた迷惑。困った状況ですね。
衛兵の身長が高いので、見上げるようでした。衛兵交代の儀式も見ものでした。
はやり記念撮影されましたか。私の方は衛兵の写真だけ撮ってきました。番組に登場した衛兵は身長が2メートルですからかなり高いですね〜。これくらいの体型の人たちが選ばれるみたいです。
ここの衛兵は個性的で面白いです。これも含めてあれだけの観光資源があるのに経済状況はダメなんですよね。
つぶやき、どう解釈したものか.....と思いつつ取り上げてみました。