月に吠えろ作戦
フランスでは、羊が放牧中に狼に襲われる事件が多発しています。農家にとっては多大な損失。対策が急がれますが、狼のしっぽをつかむのは至難のわざ。なかなか簡単にはいかないようです。
まずは作戦会議から。だいたいのポイントをチェックしたらグループに分かれて山へと向かいます。
この日は月夜。タイミングを見計らってメガフォンを取り、「ウォォォ~~~~~~」
人里離れた山奥を移動しながら暮す狼、特にまだ小さい子供の狼がどれくらいいるかを把握するのには、この方法が効果的とか。
狼が答えを返してくれたら、そこで狼が繁殖しているという証明になります。
ずいぶんと原始的な方法だなあと思いますが、すでにアメリカで行われているのだとか。
この地域では10年前から毎年夏に実施されていますが、この日は狼からの返答はありませんでした。やはり満月でないとダメ???
作戦は5回に1回の割合で成功するそうですが、被害は増え続ける一方です。
農家の方が狼に襲われ傷を負った羊を見せてくれましたが、痛々しいですね。ここではこれが三回目だそうです。
狼にとっては生きるためでも、農家は大変な痛手です。夜のうちに襲われた羊の死骸を、毎朝、発見するんじゃないかと気が気でないそうです。
狼は、現在この地域だけで200頭ほどが棲息していると考えられています。そして、狼はフランスでは保護の対象になっているため、勝手に捕まえて処分することはできません。
農家はなんとかならないかと訴え続けているそうです。
******** フランス人のつぶやき *******
「今日、娘が『狼に食べられるぅ〜』と泣きながら起きて来た。安心させるために、狼は子供は食べない、ニワトリを食べるんだと言ったら、今度は娘がニワトリじゃないことを納得させるために一晩かかってしまった」
VDM (Vie de merde)より
この記事へのコメント
オート=ザルプ県の位置がよくイメージできませんが、フランス・アルプスと考えればいいのでしょうか?鳥獣被害は日本でも深刻な問題です。
地図でみるとアルプスの西端に含まれていますね。こうやって地図を見るとアルプはかなり広いなあとあらためて思います。
やはり手塩にかけて育てた羊をやられてしまうのはつらいと思います。それにしても狼が羊を食べるというのはヨーロッパならではですよね。その野生のハムスターというのはたぶんマーモットというネズミ科の動物じゃないかと思います。山岳地帯にいる動物です。