冬のコルシカ島 その2 〜 アレザニ川渓谷の村々 〜

 シリーズの二回目は、オート=コルス県東部の渓谷にある小さな村々を訪ねます。

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 下記地図の赤い印のある地域です。

 

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 海の見える丘の上にあり、アレザニ川渓谷の入り口と言われるセルヴィオーヌ(Cervione)村。この地域は、かつてはコルシカでも人口の多い場所の一つでしたが、今では9つある村全部あわせても300人ほどになってしまいました。

 

 ベルナールさん夫妻は長年この地に住み、栗の栽培をしています。自宅の地下にある作業場で、収穫した栗の実を選別し、乾燥させ、殻を取り、粉にしていきます。この粉で、あのパンを作るんでしょうか?(栗の粉のパンについての過去記事は→こちら)下記写真をクリックして番組をご覧下さい。

 

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 この村からさらに内陸に入ると、ペレーリ(Perelli)、ノヴァーレ(Novale)、ピオベッタ(Piobetta)などの小さな村があり、栗の木林の中でのんびりと時間が過ぎて行きます。

 

 村人たちは昔ながらの暮らしを続けているそうですが、その中の一人がフランソワさん。豚を育て、ハムやソーセージを作っています。そして、自分の仕事に満足しています。

 

 美しい渓谷の景色の中に、13世紀に建てられた修道院が見えてきます。そこはピアッツァリ(Piazzali)村。

 

 司祭のオリーヴ神父は、村人たちとの付き合いを大切にし、社会という大きな建物を作っている小さな石の一つのように、自分が日々の生活に役に立てればと、聖職者らしいことをおっしゃっていました。村人からの信頼も厚いようです。

 

 村人の話によると、神父はこの村で生まれ、一度村を出て軍人になりましたが、またここに戻って来たそうです。

 

 山の斜面に出来た9つの村は、決して優しいとは言えない、地味な自然環境の中で、羊や山羊に見守られながら、毎晩、静かに眠りにつきます。

 


******** フランス人のつぶやき *******


「今日、姪っ子の洗礼式に出席した。私は式の様子をビデオに撮影していたのだが、突然、撮影画面に司祭と夫がこっちに向かって走ってくるのが見えた。夢中になって撮影している間にロウソクに近づき過ぎて、私の髪の毛に火が燃え移っていたのだ」


VDM (Vie de merde)より

この記事へのコメント

2011年03月02日 07:00
地味で堅実な村のようですね。
栗の林がいっぱいあって初夏には花の匂い(ちょっとたいへん)、秋には栗の実がはじけて地面を覆ような。
2011年03月02日 23:36
月夜のうずのしゅげさん、こんばんは。
この地域は粉として利用する栗の栽培がさかんのようですが、栗の花はちょっとくせのある匂いですね。たくさん一度に咲くと厳しいかもしれません。
2011年03月05日 14:04
決して楽でなさそうな自然環境ですが、地面に足のついた堅実な暮らしをしているんですね。これはこれで、地味だけど美しい光景ですね。
2011年03月05日 16:28
opas10さん
それなりに仕事をしていれば暮らして行ける、そんな感じのところですね。そして、さりげなく歴史も感じさせます。