ペリゴール地方を巡る旅 その3 〜民話と伝説〜
シリーズの三回目は、民話と伝説。
ペリゴール地方は民話や伝説の宝庫だそうです。下記の二つの村を訪ねます。
民話に登場するのは、ちょっと不気味なものばかり。
狼に化けた人間(Lébérou)、女に変身して旅人を追い払う木々、そしてドルドーニュ川を行く舟を襲う飛竜(coulobre)など、この地方の自然と直接結びついているものが多いそうです。
川面を這うように漂う霧。様々な木々の生い茂る山。人間以外の何かが生きているような……。
下記映像をクリックして番組をご覧下さい。
ダニエルさんは、これらの民話や伝説の語り部です。もう30年も前から続けています。今では本になって出版されている話もあります。映像にちょっとだけ出て来た「La Dame Blanche(白い貴婦人)」は、こんなお話です。
時代は16世紀のこと。舞台はピュイマルタン城。
愛人と一緒にベッドの中にいた城主の奥方テレーズは仰天します。戦にでかけた夫のジャンが思いがけず帰還してきたからです。怒り狂ったジャンは、テレーズをお城の塔にある小さな部屋に閉じ込めてしまいます。愛人はただちに処刑され、その亡骸はテレーズの部屋から見える木にぶらさげられました。
小部屋に閉じ込められたテレーズには、天井の穴から食事が差し入れられ、その穴からは始終中をのぞくことが出来ました。
ジャンは手心を加えるような男ではありませんでした。テレーズが亡くなっても手厚く葬ることはせず、その牢獄のような小さな部屋の壁に亡骸を埋めてしまったのです。
その時から村人は、夜になると、今にも消えてしまいそうな、白い衣服を身に着けた若く美しい女が、たびたび現れるのを見るようになったとか………。
ピュイマルタン城は、サルラ=ラ=カネダから7キロほどのところにあるお城です。
中を見学することもできます。お城の名前をクリックするとサイトにアクセスできます。ウィンドウの下にあるメニューからVISITEをクリックすると各部屋の写真が見られます。もちろんテレーズの亡骸が眠っている部屋の写真も出てきます。嫉妬深い夫がテレーズを監禁したというのは実際にあった話だとか......。
「今日、妻を驚かせようとドアの後に隠れてゾンビの真似をして出てった。すると妻が言った。『やめてよ、その出っ張ったお腹が見えてたわよ』」
VDM (Vie de merde)より
この記事へのコメント
キリスト教は強いですねえ。フランスのめぼしいところには必ずゴシックの教会がで〜んと建ってます。
この手の話は良く出てきますね。特にフランスは多いような気がします。因に、何かのアンケート調査で、フランス人夫婦の半分が男女ともに浮気したことがあると答えているそうです。多いと見るか少ないと見るか....。
この人も・・・サドも・・・ジルドレエも・・・
みんな好きだけど!!
この時代、暴力で支配することが許されていたとしても、この城主、ちょっと度が過ぎるかも。城主たるもの、もうちょっと太っ腹でもよかったんじゃないかなと皆が思ったのかもしれません。
ジルドレエ.....、ちょっと風変わりな人物がお好きですね。^^;